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2008.04.18
不易流行

                                                                                                     城西支会長  岡田皓三


 「不易流行」とは、松尾芭蕉の俳諧思想の一つである。不易とは「万代不変、時代が変わっても変化しない特質」であり、流行とは「時代の変化にともなって変わり行く先端事象」といってもよい。1950年に東京の老舗企業50社によって創設された東都のれん会は、機関誌創刊号の巻頭言で次のように述べている。
 「伝統を尊ぶ心は古くさいと、今の若い人はよくいう。しかし、古くさいといわれる伝統には、古くさくなるまでの寿命があった証拠だ。新しいというのが今日の新しさなら、明日はもう古くなっている。毎日毎日の新しさを追ったのでは、いつになっても安定するときはない。根のない浮き草は一時栄えているかに見えても、ひとたび水に押し流されたら、行くへも知らず跡を失う。根の深いものほど幹がふとり、枝葉も茂る。寿命の長い道理である。寿命のない新しさに何の値打ちがあろう。世に太陽ほど古くして、しかも日々新しいものはない。伝統は重んじて磨くことによって、常に新しい光彩を発する。停滞して足踏みをするから古くさくなるのだ。新しい生命の吹き込みを怠ってはならぬ」(本山荻舟 「老舗企業の研究」横澤利昌編著 生産性出版より引用)。


 来年3月に創立50周年を迎える城西支会にとっても、以って銘すべきであろう。当支会の伝統を重んじ日々磨いているだろうか、停滞して足踏みをしていないだろうか、新しい生命の吹き込みを怠っていないだろうか、常に検証しながら前へ進まねばならぬ。
 当支会の抱えている最大の問題は、各部の主宰するイベントへの会員参加率が極めて低いことにある。会員数の多くて15%、平均8%?10%といったところであり、とくに比較的若く、入会履歴の浅い会員の参加率が低く参加メンバーも固定している。イベント企画の魅力度の問題もあるだろうが、時代の移り変わりによる会員ニーズの先端把握が十分になされておらず、その意味で新しい生命の吹き込みを怠っているのではなかろうか。580名団体の舵取りに大きな責任を持つ支会長として忸怩たる思いを抱かざるを得ない。


 創立50周年に向けて、今後「不易流行の支会運営のあり方」を追求してみたい。
支会運営での「不易」とは、企業経営での不易にあたる「品質重視」、つまり《コンサルティング・スキルの向上による役に立つ実力派診断士の育成》、同じく企業での「顧客本位」にあたる《フォア・ザ・クライアントの理念の徹底》、同じく「製法の維持継承」にあたる《先輩診断士からのスキルの継承》といったところだろうか。もちろん、企業での「従業員重視の理念」は、《会員重視》といった視点に置き換えて考えていかなければならない。
 一方、支会運営での「流行」とは、制度改正と公益法人の見直しといった環境変化を踏まえ、当然のことながら、《中小企業診断士としての自立意識の高揚》につながる施策の展開が求められる。マクロ経済の環境変化にともなう行政、各種経済団体等の施策転換に対応した《各区診断士会活動への支援の強化》、実務従事機会の開拓と《銭の取れる実力派診断士の育成》、支会そのものの情報収集等シンクタンク機能の充実による先端事象の把握と活動方向性の提示などが求められるであろう。            

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