| 東京支部実務従事事業 これまでと今後 ―実務従事カンファレンス2009にあたって― | 2009.07.29 |
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【東京支部実務従事事業 これまでと今後】
今回の「実務従事カンファレンス2009」は、東京支部主催の実務従事マッチング会としては9回目になります。また、今年5月の委員会メンバー改選後、米田新委員長のもと、新メンバーで実行した最初のマッチング会です。
この機会に、中村東京支部支部長、池田実務従事事業担当副支部長、米田実務従事委員長の3名を迎え、河合東京支部広報部長の司会により、「東京支部実務従事事業のこれまでと今後」と題しまして、鼎談いただきました。
鼎談メンバー
中村 正士 東京支部 支部長
池田 安弘 実務従事事業担当 副支部長
米田 英二 実務従事実行委員会 委員長
司会:河合 正嗣 東京支部 広報部長

■東京支部の取組と、今後の課題
河合:
本日は朝早くからありがとうございます。ではまず最初に、東京支部における実務従事事業の取組みについて簡単に説明をお願いいたします。
中村:
平成18年度の中小企業診断士制度の改正により、5年間で30日間の実務従事(30ポイント分の実務従事ポイントの取得)が資格更新の要件に入りました。制度改正の目的は、中小企業診断士の診断実務能力の向上があります。これを生かして中小企業を元気にしてもらいたいという、経済産業省・中小企業庁の期待が集まっていることも背景にあります。
この制度改正を受け、東京支部では平成18年度から実務従事事業を、そして平成19年度から現在の方式であります実務従事マッチング会を始めました。年1回の「実務従事カンファレンス」を中心に、年4回のペースで開催し今回で9回目の開催となります。前回の春大会までで541名の会員が実務従事案件に申込み・参加をしていただき、参加者の方からは、満足の声を数多くいただいております。
河合:
池田副支部長は昨年まで実務従事実行委員長を務めていらっしゃいましたが、現在の実務従事事業の課題など、どのようにお考えですか?
池田:
東京支部の実務従事事業は、「支部の仲間として一緒にやっていきたいと強く考えているけれど、実務従事ポイントが取得できないから診断士資格を継続できない、という人を東京支部からは1人も出さない」ということを大きなテーマとして開始しました。また、もう一つの目的として、診断技術を伝えるだけの場ではなく、経験豊かな指導員が診断士の仕事について身をもって若手に教え、中小企業診断士の血脈を受け継ぐための場としたいという思いがあります。さらに、企業内診断士のスキルは往々にして専門分野の中では突出して高いものを持っていることがありますが、これを診断実務に生かせるように、独立している指導員とのネットワーク作りの場としたいと思っています。今はこういったネットワークがうまく形成されていない部分があると思います。企業内診断士の持つ特異な技術と、独立し診断実務ノウハウを持っている人たちを融合できると、新しい東京支部の力が出てくるのではと思っています。 河合:昨年までで特に苦労されていたことはございますか? 池田:平成19年度に実務従事マッチングを開始して、昨年まではいろいろと試行錯誤をしてきました。会員の皆様の要望にこたえるために、東京支部全事業の中でさらに調整しなければならないことも多くありますが、全体としてここまで来たという達成感は大きなものがあります。
■今後の取組について
河合:
米田委員長は、今年から実務従事実行委員会を引き継がれました。今後の抱負をお聞かせいただけませんでしょうか?
米田:
今年は150件の案件でマッチングが成立することを目標に活動していく予定です。併せて、会員の皆様のニーズに対応した新しい取組みなども行っていきたいと考えています。一方で、実務従事マッチング大会は、昨年までの実務従事実行委員の大変な努力で軌道に乗ってきていますが、現在の委員会メンバーの負担も相当のものがあります。今後実務従事事業を継続していくためにも、負担軽減の為に開催方法について工夫する必要性も感じています。
池田:
東京支部では商店街パワーアップの取組みを行っていますが、企業内診断士は商店街診断に参加できる機会が多くありません。実務従事事業としても商店街診断に取り組める仕組み作りを行っています。また、小林前支部長が提唱していた企業ドック構想の入り口診断を実務従事で組み込めないかも検討しています。
河合:
新しい取組みについて、具体的にお考えのことがあれば教えてください。
米田:
大きな意味での実務従事事業として、一部信金様と連携をしていく計画があります。この計画に基づいて依頼される診断案件については、指導員や参加者を随時募集していく必要がでています。この件に関しては、早めにスキームを仕立てあげたいと考えています。
河合:
マッチング大会にご来場できない方への対策はお考えですか?
中村:
信金様との連携の件は、先ほど申し上げましたように、マッチング大会とは別に年間を通して、随時WEB経由で募集することを検討しています。診断能力の向上には現場へ行って企業様と対応し提言する実務従事が最も有効と考えています。そのため、品質を重視し、指導員のレベルアップも図っていくなど、支部としての場の提供になる実務従事事業を大切にしていきたいと思います。
米田:
これをきっかけにして、WEBを活用し随時参加者を募集する枠組みを整理し、これを基盤に他の案件にも広げていきたいと思っています。
中村:
信金様からは早速案件が出てきています。これについては早期に体制を整え、対応する必要があります。
河合:
これまでのマッチング大会への参加者からは、案件説明の時間を長くして欲しいとか、複数の案件説明を同時並行で行うので、内容を聞けない案件もあるとの要望が挙がってきていますが、対策などをお考えですか?
池田:
年4回のマッチング大会については、参加者の意見も参考に、新しいやり方を模索していきたいと考えています。当然、今後継続して改善しなければならない点もあると思っています。
米田:
秋大会は従来と同じ形式で開催する予定ですが、冬大会はWEB募集を中心にするイメージを持っています。
池田:
また、参加者募集についてだけでなく、マッチング大会の前に案件説明資料を支部HPへ掲載するといった情報提供方法の充実も、今後検討していきたいと考えています。
河合:
少し観点を変えて、指導員に向けてのメッセージはございますか?
中村:
最近では、東京支部以外でも他支部や一部団体でも実務従事事業は行われています。その中でも、東京支部ではまず品質を重視していきます。この姿勢についてはこれまでと変わらず、実務従事案件のクライアント企業にとっては成果につながる提言を、参加者に対してはその満足度をあげていきます。その要となる指導員の方々には是非意識を高くもって指導に当たっていただきたいと思っております。
■資格休止に対して東京支部は
河合:
最後になりますが、東京支部は企業内診断士が多いという事情もあります。実務従事ポイントの不足により資格休止を検討されているような方へのメッセージがあればお願いします。
中村:
東京支部としては、年4回のマッチング大会に加え、年間を通して随時応募できるようにWEBを活用したマッチングなどの方法により、会員の皆様が実務従事案件に参加しやすい環境を整えていきます。是非早め早めにこうした機会を利用してもらいたいと考えていますし、また計画的に更新の準備を済ませておいて欲しいと考えています。
池田:
私は実務従事ポイントが取得できないことだけが、中小企業診断士資格を休止する理由ではないと考えています。診断士でいることそのものや、診断協会の会員でいることに魅力を感じていないのではないでしょうか。東京支部として実務従事ポイントを獲得できる機会を提供することも大事ですが、診断士資格の素晴らしい点や、診断協会の活動内容、東京支部・各支会の取組み内容を発信し続けることで、中小企業診断士の魅力を高めていくべき必要性を強く感じています。資格休止への対策は、実務従事事業だけで取り組んでいく問題ではないと思っています。
米田:
実務従事委員会としては、昨年までの経験を活かして、一丸となってより良い会員サービスの提供としての実務従事事業に取り組んでいきたいと考えています。
河合:
今後の予定は?
米田:
先ほどもありましたが、新入会員歓迎の秋大会(10月10日)にて実務従事マッチング会を行う予定で進めております。
河合:
どうもありがとうございました。
中村支部長 池田副支部長 米田委員長 河合広報部長
【多くの参加者を得て、充実したカンファレンス2009となりました】
2009年6月27日(土)、東京支部としては3回目のカンファレンスとなる「夏大会実務従事カンファレンス2009」を東京渋谷のフォーラムエイトにて開催いたしました。当日は、夏を思わせる暑い日でしたが、大勢の方に参加いただき、熱気あふれた充実したカンファレンスとなりました。 結果としては、以下の通りです。
参加人数:195名
募集案件数:31件、うち成立案件数:25件
実務従事案件参加決定者:のべ126名
第Ⅰ部
第Ⅰ部は、メイン会場にて行いました。中村東京支部長から挨拶をいただいたあと、米田実務従事実行委員会委員長より東京支部実務従事制度の説明が行われました。
中村支部長からは、「中小企業を元気にする担い手として、中小企業診断士への支援要請が高まってきており、診断士の認知度が向上してきている。その期待に応えるため、東京支部は『実務従事事業の品質重視』をかかげ、診断士の資質・能力向上の機会提供事業として注力してきている。9回目となる今回のカンファレンスは31案件を準備しており、これらの案件を通じて、多くの診断士が実務支援能力、ソリューション提案能力の向上につなげていただきたい。」とのお話をいただきました。 引き続き、米田委員長から、実務従事制度の位置づけなど事業全般の説明がありました。また、今後の取り組みとして、年4回のマッチング大会だけでは増大する会員のニーズに応えられないことから、Webを通じた案件募集についての検討が示され、一部信金様の案件を実務事業案件として有料で実施する仕組みの検討を行っている旨の説明が行われました。

中村東京支部長挨拶
第Ⅱ部
第Ⅱ部は、2ヶ所の会場にて、 ①成果事例発表会(参加者向け)、②指導員説明会(指導員向け) を行いました。
① 成果事例発表会
2008年度実施の6グループから実務従事の成果が発表されました。 支援先企業も、小売業3件のほかに飲食店2件、保険代理業と多岐にわたり、
1.支援企業にとっての成果
2.参加メンバーにとっての成果
のほか、実務従事に参加する心構えや副次的な効果・活用法まで、ポイントをついた実践的な説明でした。その内容は参加者にとっては実務従事の具体的なイメージができるとともに、どのように取り組むべきなのか、どのように活用していけるかなど、示唆に富むものでした。

成果事例発表会の様子
② 指導員説明会
成果事例発表会と同時に、杉山副委員長より指導員説明会が実施されました。現指導員を始め、今後指導員を目指す方を対象に、実務従事制度の運営方法や手続きなど、実務従事制度を支えるスキームの説明がなされました。特に、より使い勝手が向上したHPの活用法に重点的がおかれ、質疑応答を含めて実務従事制度の理解度向上が図られました。

杉山副委員長による指導員説明会
第Ⅲ部
第Ⅲ部では、3つの会場に分かれて、全31案件のプレゼンテーションが実施されました。各案件ごと4分という制約の中で、指導員の方々より熱のこもった案件の説明がなされました。それぞれの案件が個性に溢れるもので、聞く側としても目移りがしてしまうなか、参加者の皆様も熱心にメモを取りながら、続くマッチングに向けて参加する案件を選んでいる様子でした。
その後、メイン会場にてマッチングを行いました。開始早々に案件毎のテーブルにかなりの申込希望者が並ぶ状況となり、指導員と参加希望者で熱心に質疑応答が交わされ、案件参加への熱意の高さが伺えました。申込者の数名の方から案件参加・選択の理由をヒアリングさせていただきました。
*「事業承継」に関心あり実務にも役立ちそうなので。 (40代男性)
*製造業の経験があり、それが活かせそうなので。 (50代、4回目の参加)
*説明員の先生を知っていることと、小売に関心があったので。 (60代男性)
*案件の説明がよく関心を持った。(60代男性) この他、「マッチング大会は第一回目から参加してきているが、内容・構成が改善され充実してきた。」(60代男性)というコメントもいただきました。対象会社と参加者全員の成果への期待のもと、マッチングが無事終了しました。

案件説明会の様子 マッチング会場の様子
第Ⅳ部
マッチング終了後は、一転和やかな雰囲気のなかでマッチング交流会が開催されました。中村支部長の開催挨拶に引き続き、参加者の皆様は各テーブルに分かれて本日のマッチングの成果を話し合っておられたようです。また、第2部の「成果事例発表者」への表彰が行われました。

成果発表者表彰