| 「実務従事カンファレンス2010 第Ⅱ部成果事例発表会」について | 2010.07.30 |
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6月12日、梅雨入り前の晴天の日に、渋谷フォーラム8において「実務従事カンファレンス2010」が開催され、第Ⅱ部において成果事例発表が行われました。
当日は、実務従事案件の中から優秀とされた以下3案件について、各従事案件に携わった診断士が各20分程度案件概要を発表されました。
①アパレル製品卸売業Q社の業態改善と販売力強化
②感動を与える接客をアドバイス
③ゲームセンター・店舗診断の概要
①アパレル製品卸売業Q社の業態改善と販売力強化
「独特のオリジナル商品を活かすため、卸を基幹としつつも量を追わないSPA企業」を目指すQ社が、銀座へのアンテナショップ開店を目指すにあたり、「家族経営」から「企業経営」への転身を図る2代目経営者の依頼に沿って、現状分析を踏まえた具体的な施策提案を行ったとのことでした。
提案内容としては、「経営の見える化」へのステップとして「ものづくり体制構築-企画・生産計画策定」、「発信力強化-販売目標設定と遂行計画」、「銀座店の店づくり-リアルショップの活用と採算性確保」を提案され、業務フローの一覧、一定の前提をおいた事業計画、事業ポートフォリオも提示されていました。
②感動を与える接客をアドバイス
都営新宿線I駅前のイタリアンレストランSの代表者A氏に対して、Sの課題を「店舗が立派なのに、料理と接客が普通」として、「イタリア料理好きな固定客を数多く持つ、地元に愛されるお店」とするための提言をされたものでした。
提言内容としては、接客、メニュー、販売促進、財務にわたるものですが、その内発表者が担当された接客について、「感性へ働きかける情報の重要性」を提言、グランドメニュー、店内POP・リーフレット、Web・口コミについて、「お客様の行動と心理の動きと情報提供のポイント」の観点から分かりやすく説明され、「居心地の良さ+料理の美味しさ=当店で過ごす時間の楽しさ」を提供し「お客様をイタリア料理通に育ててお店も育っていく」ことを提言されていました。
③ゲームセンター・店舗診断
ターミナル駅前に隣接する2店のゲームセンターを持つ株式会社Aに対して、自社調査(ヒアリング、満席表)、顧客調査(業界で実施しているアンケートをアレンジ)、競合店調査(視察評価⇒ポジショニングマップ)を通して2店を分析し、「客層がヘビーユーザーに限定されている」、「設備、機種が他店に比べて不利」、「2店舗が隣接しており連携が取りやすい」という分析結果を踏まえて、「2店舗を1店舗と考えイベント等販促実施」、「来店頻度の傾向からゲーム機器購入選定」等の提言を行ったとのことでした。
発表後、中村正士東京支部長と審査委員による審査の結果、②「感動を与える接客をアドバイス」が最優秀賞として選定されましたが、3件とも依頼企業の要請に応えた提案をされた実務従事案件と感じられ、実務従事事業が中小企業、診断士相互に意義のある事業となっていると感じ入りました。
| 実務従事カンファレンス2010 多くの参加者を得て、充実したカンファレンスとなりました | 2010.07.30 |
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東京支部では、6月12日(土)、渋谷のフォーラムエイトにて第4回実務従事カンファレンス2010を開催しました。当日は、夏を思わせる暑い日にもかかわらず、大勢の方に参加していただき、熱気あふれた充実したカンファレンスとなりました。
結果は、以下の通りです。
募集案件数:21件
うち成立案件数:14件
実務従事案件参加決定者:のべ86名
●第Ⅰ部(13:00~13:30):
第Ⅰ部は、メイン会場にて行われました。
中村正士東京支部長からご挨拶をいただいたあと、米田実務従事委員会委員長より東京支部実務従事制度の説明が行われました。
中村支部長からは、「中小企業を元気にする担い手として、中小企業診断士への支援要請が高まっている一方で、中小企業診断士の資質のより一層の向上が課題となっている。東京支部は実務従事制度を、その課題解決に向けた方策と位置づけており、品質を第一に考えて取り組んでいる。また、それこそが他機関との差別化の要因であり、受講者には、単なる実務従事ポイントの獲得の場としてではなく、スキルアップを図る場として活用していただきたい。そして、経営者からも受講者からも、『本当にやってよかった』と言われるものにしていきたい」とのお話をいただきました。
引き続き、米田委員長から、実務従事制度の位置づけなど制度全般の説明がありました。また、2010年度より、中小企業診断協会ホームページ上の「Myページ」上での案件募集についての取組が開始されたことや、同じく「Myページ」上での実務従事ポイント取得状況の確認方法など、Webを利用した利便性を高めるための取組に関しての説明等が行われました。
●第Ⅱ部(13:35~14:45):
第Ⅱ部は、2ヶ所の会場において、
①成果事例発表会(参加者向け)
②指導員説明会(指導員向け)
が行われました。
成果事例発表会では、以下の3つの優秀事例が発表されました。
1.アパレル製品卸売業Q社の業態改善と販売力強化
指導員:今宿博史、兼子俊江
発表者:毛利憲昭
ポイント:家族経営から企業経営へ
2.感動を与える接客をアドバイス
指導員:瀬尾千鶴子
発表者:歌田弘子
ポイント:普通の接客から感動を与える接客へ
3.ゲームセンター店舗調査・診断の概要
指導員:山下義
副指導員、発表者:村越満
ポイント:固定客から固定客以外も獲得
どの事例も、現状把握→課題抽出→提案→成果と順を追って説明されており、実務従事の内容がイメージしやすく、参加者にとって大変参考になる事例だったと思います。
中村支部長、池田副支部長、米田委員長が審査員として、上記3事例が審査されました。 審査の結果、「感動を与える接客をアドバイス」が最優秀賞を受賞しました。「わかりやすくて、企業に役に立つ内容」(中村支部長)が、審査の決め手になったようです。
●第Ⅲ部(14:45~16:05):案件プレゼンテーション
第Ⅲ部では、2つの会場に分かれて、全21案件のプレゼンテーションが実施されました。
それぞれの案件の持ち時間が5分と短い時間でしたが、指導員の先生方より、診断企業の特徴、企業側の診断メリット、参加者のメリットなど、案件の特徴についての簡潔な説明が行われました。参加者は、メモを取りながら、続く第Ⅳ部の実務従事マッチング会に向けて参加する案件を選んでいる様子でした。
●第Ⅳ部(16:10~16:50):実務従事マッチング会(申込登録会)
第Ⅳ部では、メイン会場にて、メインイベントであるマッチングが行われました。開始前から大勢の参加者が目当ての案件のブースに並び、開始を今か今かと待っている状況で、皆さんの熱心さをうかがい知ることができました。
今回は、限られたスペースの中に大人数がいるため、安全面を考慮し、先着順で決めることを禁止していました。各指導員は、参加希望者と面接をし、適性や意欲などを見て参加を認めることになります。しかし中には、和気あいあいとアミダくじやジャンケンで決めているところもありました。こういう雰囲気がマッチング会の大盛況たる所以ではないでしょうか。そんな中、今回も無事にマッチングが終了しました。
参加されたことのない方も溶け込みやすい雰囲気ですので、是非一度、ご参加ください。
実務従事カンファレンス2010
─ 鼎 談 ─
2010年6月12日、今年も実務従事カンファレンス2010が渋谷フォーラムエイトにおいて盛大に行われました。
この機会に、中村支部長、池田副支部長、梅津試験・実務補習運営委員長、米田実務従事実行委員長の4名をお迎えし、木伏実務従事実行副委員長の司会により、「現在の実務従事、及び実務補習事業を取り巻く課題について」と題しまして鼎談いただきました。
●鼎談メンバー:
中村東京支部支部長
池田東京支部副支部長
梅津試験・実務補習運営委員会委員長
米田実務従事実行委員会委員長
司会:木伏実務従事実行委員会副委員長
(以下、敬称略)
1.初めに
木 伏:
最初に、中村支部長より、実務従事事業に期待されていることを教えてください。
中 村:
以前は、資格更新は座学研修でしたが、中小企業庁から中小企業診断士の資質の向上を図って欲しいという要望があり、資格更新の要件として30日間の実務従事を行うことになりました。中小企業診断士に対する期待は非常に大きく、これに応えるため、実務従事の目的は、中小企業診断士の資質の向上に置いています。
東京支部としても中小企業診断士の資質向上は永遠の課題であり、特に今年度の基本方針では、資質向上、つまり人材育成を重点項目として挙げています。その一つが実務従事であり、またそれを行う指導員の指導力向上も図っていく必要性があります。
木 伏:
次に、米田委員長より、東京支部実務従事事業について、これまでと今後1年間の取組みについて教えてください。
米 田:
2007年から実務従事マッチングを開始しましたが、現在までに案件マッチング方式としては定着し、中小企業診断士の資質向上に一定の役割を果たしてきました。しかし、更に改善するべきことも現状まだ多いと思います。また、昨年11月から始めたWeb募集では、参加者をすぐ集めることができ、随時性を持って活発に実務従事事業が行えることが分かってきました。
今年度は、Web募集を更に拡充していきたいと考えています。一方、課題としてあがっているマニュアルの整備、業務を効率化していくための本部システム改善や、指導員登録の有無を簡単に確認できるように、指導員データベースの整備等にも取り組んでいく予定です。
2.指導員研修への取り組みについて
木 伏:
実務従事や実務補習について、今年度の新しい取組みとして指導員研修がありますが、これは、どういう課題意識や背景から生まれたのかを教えてください。
池 田:
企業に対しコンサルティングを行うスキルと、実務従事において参加者を指導するスキルは別物と考えています。実務従事の指導員には、コンサルタントとしてのスキルと同じく、診断グループを運営していくインストラクション能力が大切です。そのうち、指導員個々のコンサル能力は、基本的に協会組織が立ち入るべき筋合いのものではないと考えています。よって、指導員研修では、プロジェクト運営の方法、コミュニケーションの取り方等、インストラクション能力に関する研修を行っていきたいと考えています。また、合わせて中小企業診断協会の意義や目的、中小企業診断士として必要なメンタルなども伝えていく必要性を感じています。
木 伏:
インストラクション能力に重点を置いた指導員研修ということですが、中村支部長より、今年度の重点的事業としての位置付けや意義を教えてください。
中 村:
東京支部では、実務従事・実務補習について、今年度から、指導員研修を実施していきます。中小企業診断士の資質向上は、診断・助言能力向上だけではなく、企業に接する上で、コンサルタントとして相応しい人格面での向上も大切です。東京支部で開催する実務補習や実務従事について、品質第一で取り組んでいくためにも必要と考えています。
実務従事では、参加者の皆様にはその資質向上がまず目的で、企業に喜んでいただけるような良い支援ができるスキルを身につけて欲しい。そして、指導員については、そのスキルを向上することで、案件参加者が実際の中小企業の現場に立って勉強になったと言っていただけるようにしたいと考えています。
池 田:
今年度は、実務補習指導員向けの研修を実施する予定です。内容については、中小企業大学校で実施しているインストラクター研修を念頭に置きながら考えたいと思っています。この研修を下敷きにして、今後カリキュラムを練り上げていきます。
木 伏:
実務補習で企業満足、受講生満足を考えた場合、現状の課題や、今後の取組みについて考えられていることを教えてください。
梅 津:
今の課題は、受講生(会員)の満足度向上のためには、指導員の資質向上が欠かせないということです。実務従事の指導員と実務補習の指導員はほぼ共通なので、実務補習でしっかりと指導ができる指導員が、実務従事でも参加者が満足する指導員になると思っています。現在の実務補習は、短期間で企業を診断する必要があり、指導員は、診断グループのスケジュール管理を上手に行い診断内容を短期間でしっかりまとめる能力が必要になっています。
木 伏:
実務従事事業では、指導員の資質向上について、どういった課題意識や取組みをお考えになられていますか。
米 田:
中村支部長より品質第一という話がありましたが、指導員という観点については、東京支部として求めている指導員像を明確にし、指導力やインストラクション能力を強化する研修を具体的・継続的に取り組んで行くことが必要なことは間違いないと思います。
3.診断企業先の確保について
池 田:
指導員に関する論点とは別に、実務従事事業の目的に合った企業を、案件としてどれだけ提供していけるかということも大事です。実務従事委員会としては、企業選定のガイドラインを明確に設定し、適切な案件かどうかをチェックしながら案件を提供していくことが、大きな課題と認識しています。
梅 津:
是非、企業選定ガイドラインは作って欲しいですね。
木 伏:
東京支部にて議論されている、実務従事委員会で作成した企業選定のガイドライン案の現状は如何でしょうか?
池 田:
基本的には、ダブルスタンダードは好ましくないということで、実務補習と実務従事は原則同じ基準でやりたいと思っています。ただ、実務従事事業では、新規創業や新分野進出の案件があったり、必ずしも総合診断が求められている訳ではないので、案件毎になぜこれをやるのかが明確になっていて、参加者に説明責任が果たせるのであれば、受け入れていこうと思います。ただ、これはあくまでイレギュラーな対応であり、原則として実務補習と実務従事は同じ基準でと考えています。また、今後企業ドック構想が協会本部事業として立ち上がりますが、本構想に対して、実務従事事業的な枠組みの中で実施する必要がある案件も出てくると思います。この場合、企業選定など実務従事事業の範囲や、実務従事委員会としての対応範囲をあまり固定的な概念で定義してしまうと、案件に対する対応力が鈍くなってしまいます。スピード感が大切で、迅速に対応できる余地は残しておきたい。原則は定め、個々の案件については柔軟な余地を残す対応を取りたいと思います。
木 伏:
今出ました話について、実務従事委員会では、今後の展開を具体的に検討されていますでしょうか。
米 田:
現時点では実務従事委員会では、公益事業や企業ドック構想に対してどう対応するかは、あまり議論されていません。今後、実務従事事業の幅を広げる議論を具体的にしていきたいと考えています。
池 田:
現在、実務補習と実務従事を合わせると、恐らく年間企業数として400~500程度用意する必要があります。現在のように個々の指導員が案件を用意するのではなく、東京支部として、相当強い案件開発力を組織的に作っていく必要があり、先程の企業ドック構想等と組み合わせながら、案件発掘をしていきたいと思います。今後、東京支部5役や常任理事会でしっかり議論をして、各委員会に検討をお願いしていきたいと考えています。
梅 津:
案件開拓については、私も危機意識を持っています。実務補習における企業確保について、東京支部としての組織的な取組みが必要だと思います。
木 伏:
実務従事事業でも、案件確保の危機感はありますか?
米 田:
実務従事事業としても、案件が充分に集まっている状況ではありません。案件確保を東京支部全体として考えていくべきと思っています。
4.最後に
木 伏:
さまざまな課題についてお話しをいただいてまいりましたが、最後に中村支部長よりお話しをお願いします。
中 村:
指導員は原則として実務補習も実務従事も同じですので、実務従事は実務補習に準じて行うことになると思います。品質第一で取組むためにも、指導員の能力向上が必要なので、これを徹底していきたいと思います。案件確保・発掘の問題についても、案件数が集まらなくても、資質向上に不適切な案件を対象にするのはやめたいと思います。中小企業診断協会は、品質が良くしっかりとした指導を行っているということをアピールしていきたいと思います。
中小企業診断協会は、中小企業診断士制度を維持発展し、中小企業の支援を行うことにより、日本経済の発展に貢献するということです。最近、中小企業診断士は注目されてきていますが、同時にその資質の問題が指摘されてきています。また、今後のことを考えると、若い会員の育成をしっかりやっていきたい。若い会員の方で、30代で独立してやっていく方が増えて欲しいという希望があります。独立してやっていく技量については、協会として支援もしていきたい。人材育成は、研究会やセミナーやプロコン塾もありますが、実務補習や実務従事もその一つです。企業内診断士に実務を行う場を提供していかなければなりません。今後とも、しっかり中身がある品質の良いものを提供していきたいと考えています。ほんとに勉強したい、中小企業診断士としての能力向上や将来の独立のために、診断協会の実務補修・実務従事を受けたいというブランドを今後とも築いていきたいと考えています。