| 実務従事カンファレンス2011 | 2011.11.29 |
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-多くの参加者を得て、充実した-
実務従事カンファレンス2011
10月8日(土)、「実務従事カンファレンス2011」を東京渋谷のフォーラムエイトにて開催いたしました。大勢の方に参加いただきまして、熱気あふれた充実したカンファレンスとなりました。結果は、以下の通りです。
参加人数:186名
募集案件数:19件
うち成立案件数:18件
実務従事案件参加決定者:のべ105名
◉案件参加者向け実務従事制度説明会:
説明会ではまず、小出支部長から、「直木賞も受賞した『下町ロケット』にでてくる『二階建て理論』は、一階は堅実なビジネスの部分で、二階が夢の部分というものです。実務従事では社長の心を探りながら社長の夢・中小企業の心を理解するとともに、皆さん自身の二階部分である夢にもつなげてもらえればと思います。」とのご挨拶をいただきました。
引き続き、杉山委員長から、実務従事制度の概要や、東京支部としての実務従事事業の取組みについて説明がありました。
◉昨年の実務従事成果発表会:
2010年に実施した実務従事案件3件について、成果発表会を行いました。実務従事に参加する心構えや副次的な効果・活用法まで、ポイントをついた説明でした。東日本大震災で被災した企業の事例など今日的な課題を取り扱った実務従事も多く実践的な内容でした。
◉指導員・副指導員向け説明会:
木伏副委員長(実務従事実行委員会)より、実務従事案件の指導員・副指導員向けに、実務従事事業の手続きや運営について、各種様式の説明や、本部システムの利用方法などについて説明を行いました。
◉指導員による募集案件の概要説明:
募集案件について、2つの会場に分かれれて、全19案件のプレゼンテーションが実施されました。各4分という短い時間ながら参加メリットや条件等をコンパクトに説明しており、参加した会員は、応募する案件を見極めるために、熱心にメモをとりながら聞き入っていました。
◉実務従事案件のマッチング会:
その後、実際に応募申込みを行うマッチング会では、開始前から、大勢の参加者が入り口付近で開始を待ち構えて、独特の緊張感に包まれましたが、マッチングを開始すると一転、非常に熱気にあふれる雰囲気の中でマッチングが行われました。参加申込が無事に完了した後は、診断に向けての準備や日程調整など、指導員を囲み最初の打合せが実施されていました。
| 実務従事座談会 | 2011.11.29 |
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実務従事座談会
10月8日、今年も実務従事カンファレンス2011が渋谷フォーラム8において盛大に行われました。
この機会に、実務従事に参加されたご経験のある方々にご協力いただき、上品実務従事実行委員会副委員長の司会により、「実務従事の意義と課題」と題して座談会を行いました。
●座談会メンバー
田村智子氏、枦山直和氏、中村哲也氏、中村弘氏、清水慎一氏、山田秀樹氏
司会:上品実務従事実行委員会副委員長
(以下、敬称略)
1.実務従事では、興味がある業界を選んで学べ、中小企業の実態に触れられる
上品:実務従事に参加されたご経験をお持ちの皆さんにお集まりいただきました。実務従事をより良いものにしていくためにも忌憚ないご意見をいただきたいと思います。
自己紹介と実務従事に参加された回数を教えてください。
田村:報道系の会社に勤務している企業内診断士です。実務従事には4回参加しています。
枦山:コンピューターメーカーでSEをやっています。3回参加しています。
中村(哲):食品メーカーに勤めています。実務従事の参加は1回です。
中村(弘):コンピューターで実施する資格試験の配信を行う企業に勤めています。前職はビールメーカーに勤務していました。3回参加しています。
清水:外資系農薬メーカーの技術部門で働いています。4回参加しています。
山田:コンピューターメーカーの関係会社に勤務しています。予算、人事などのスタッフ業務に携わっています。私は5回です。
上品:皆さんは、実務従事でどのような案件をご経験されましたか。
中村(弘):3回とも商店街案件でした。商店街案件を多く経験することで診断の「型」、「流れ」を深く学ぶことができました。
田村:化粧品販売業、スペイン居酒屋、美容室、韓国料理の惣菜店の案件を経験しました。多くの業界の内情を垣間見たいという思いと、女性としての意見を活かせそうな案件を選びました。
上品:自分の視点や経験が活かせる案件を選ぶのも、良い選び方ですね。
枦山:意図してバラバラな業種の案件を選びました。1社目は中堅スーパーマーケットでカテゴリーマネジメントを経験しました。商品の選定から棚替えも行いました。非常に大変でしたが良い経験でした。2社目は、馬の飼料の卸売会社。3社目は、損保の保険代理店の診断を経験しました。
中村(哲):神奈川県にある商店街でした。現地に初めて行った時の印象は、「この商店街を良くするのは難しい。」でした。高齢化、シャッター店舗、駅から遠いなどネガティブな発想しか浮かびませんでしたが、実務従事メンバーと議論を重ねるうちに解決の糸口が見えてくるんですよね。異なる経験をしてきたメンバーの力を合わせれば新しい解決策が見えてくる経験を得られたことは、大変良い勉強になりました。
中村(弘):商店街にも元気な商店街もあれば、そうではない商店街もあります。両方の診断機会を得ましたが、商店街診断には、共通した「型」があるように感じています。調査には、通行量、来街者アンケート、経営者アンケートなどがあり、それをまとめるためのEXCELツールも代々受け継がれているため、診断の基本を学びやすいと感じています。作業量が多く、大変ですが得られる経験も大きいと思います。
清水:私は、文書をデータ化して管理する企業、ユニフォーム製造業、スペイン居酒屋、呉服の卸売業の4つの案件を経験しました。4つの案件を通して、企業の成長は社長次第だと、実感しました。
山田:「食」に関わる案件ばかりでした。お酒の卸売業、お箸の卸売業、居酒屋、茶の農園の4件を経験しました。中でも印象に残っているのは、茶の農園の案件です。本業はIT関連事業の企業様が、お茶の農園事業を立ち上げるにあたって、ビジネスプランを作る支援を行いました。このお茶の農園事業は、1500坪という非常に小規模な農園で、ご夫婦ふたりだけではじめたビジネスでした。農園を作って6年目の今年、大震災の影響で出荷制限を受けてしまい、先行き不透明な事態に陥っていました。どんなビジネスプランを作ればよいのか、雲をつかむような感じで苦労しましたね。短期的な取組みと中長期的な取組みに分けて検討して、何とか少しでも社長のお役にたちたいという思いだけでビジネスプランを形にしました。最後のプレゼンのときには社長から感謝のお言葉をいただけたのが、印象的でした。
IT関連事業からお茶の農園事業という、まったく畑違いの事業に進出したにも関わらず、社長は「ゆくゆくは日本のお茶の文化を変えたい」という熱い思いをお持ちでしたし、心から応援したくなるような企業でした。
2.企業内診断士にとって、実務従事は実務ポイント獲得の貴重な場となっている
上品:ところで、皆さんは何回か実務従事に参加されていらっしゃり、企業内診断士ということですが、実務従事以外に実務ポイントを得る機会はありますか。
一同:ほとんどありません。実務従事が実務ポイント獲得の貴重な場となっています。
中村(弘):診断士としてのスキルを高めることができ、ポイントもいただけるのですから企業内診断士にとっては役立ちますよね。
3.実務従事案件の選び方
上品:実務従事で案件を選ぶときには、どのような基準で選びますか。
枦山:実務従事のマッチング説明会での案件プレゼンを参考に選びます。他には、診断士の受験指導校でお世話になった先生など、過去にご縁があった先生の案件であることも選ぶ基準としています。
清水:私もすでにご指導いただいたことがある先生を選んでしまいますね。また、自分が経験した業種とは違う業種の案件を選ぶようにしています。異業種の企業を深く学べる機会は実務従事くらいしかありませんから。マッチング大会でプレゼンを聞いて面白そうなものには着目します。良く知っている先生であればWebでの応募もしたことがあります。
4.実務従事は、勤務先の仕事にも活きる
上品:企業内診断士の皆さんが、実務従事を勤務先での実務に役立てる場面というのはありますか。
中村(哲):商店街診断の場合は、構成員が社長さんだらけですから、各々の思いや年代もバラバラな状態の中で、皆が向かうべき方向をそろえるのはやはり難しく苦労したものです。思い返してみれば、これは自分の勤務先でも同様だと感じました。様々な思惑の関係者をまとめる経験は勤務先でも役に立つと感じています。
山田:私は会社の中でスタッフ業務をやっていて、お客様と直接の接点がありません。実務従事で社長とお話しすることが、お客様のニーズや市場動向などを意識する機会になりますので、勤務先での仕事に役に立っていると感じています。
清水:実務従事に参加しなければ、ほかの業界のことを調べたりする機会はありませんので、それ自体がビジネスマンとして役に立っていると思います。
枦山:診断報告書をつくる作業が役に立つと思っています。あれだけの量と内容の資料を作成する機会はなかなかありませんから。
田村:仕事で普段使っていない思考回路を使う機会になっていると思います。また、診断報告書を作成、改善案を社長に提示し、感謝されるということは、あらゆる業務に取り組む上での自信につながると思います。
中村(弘):診断報告書と会社で作成する書類では、文字量など色々な面で文化が異なっていますよね。勤務先でのやり方だけでなく、多くのやり方を学ぶ機会があり、刺激になりますし、面白いと感じています。報告会も勤務先の業務では味わえないシチュエーションですので、良い経験だと感じています。
5.実務従事で得られる実践力
上品:実務従事を通して、得られた診断スキルはありますか。
中村(弘):インタビュースキルなど、座学だけでは絶対に学べないものを学べると感じています。ただ、実践に入る前に診断プロセスの全体像を確認する場を設けたほうが良いと感じています。
枦山:たとえばカテゴリーマネジメントにおいては、「ゴールデンゾーンには売れ筋を置くのではなく、売りたいものを置くのだ」という、理論の勉強では学べないことが学べましたし、POSデータの分析を通して、エクセルを使った分析スキルが向上しました。
清水:実務従事は、診断士試験で学んだSWOT分析などを実践で使って経験することができる数少ない場だと感じています。
山田:試験で学んだ理論の使い方を実務従事で学べていると感じます。
田村:せっかく学んだ理論も、使う場がなければ意味がないですが、使う場を得られるのが実務従事です。使って初めて分かったこと、理解が深まったことは多いです。
6.今後の実務従事に期待すること
上品:実務従事に関するご要望はございませんか。
枦山:工場(製造業)の診断をやってみたいです。以前に比べ製造業の案件が少なったと感じています。
中村(弘):今日の実務従事カンファレンスの案件数が19件と少なく感じています。案件数がもっと増えると実務従事の魅力が増していくと思います。
枦山:企業内診断士などの会員に実務診断先を開拓するご協力をお願いするチラシなどがあったら、裾野が広がると思う。その紹介者にも副指導員になれるなどのインセンティブを与えるなどの仕組みを作ってはいかがでしょうか。
清水:診断先のその後の声が聴きたい。フォローアップ診断というメニューがあると面白いと思います。
7.最後に
上品:貴重なご意見ありがとうございます。皆さんのご経験に基づくご意見は大変参考になります。会員の皆様に実務従事をもっと知っていただき、品質が良く、しっかりとした実務の場を提供できるよう実務従事委員会として取り組んで参ります。
実務従事の質・量の充実を図り、実務を行う場を提供していくことで、中小企業診断士の資質向上に貢献していきます。
今後ともご協力を賜りますようお願いいたします。
本日はありがとうございました。