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2015.12.26
中小企業施策で診断士に期待・大岡敏孝衆院議員

~中小企業診断士稲門会30周年記念講演にて~

城北支部 日景 聡

 国会で唯一の中小企業診断士としてご活躍中の大岡敏孝衆議院議員(自民)が11月1日(日)午後、ホテル椿山荘東京で開かれた中小企業診断士稲門会の特別記念講演会に登壇し、「中小企業政策と中小企業診断士の在り方と今後の方向性」をテーマに講演されました。認定支援機関制度の抜本的見直しも含め、中小企業振興のために診断士の皆さんのアイデア、お力をお借りしたいなどと熱く呼びかけられました。


【国会議員で唯一の診断士】
 本講演会は早稲田大学校友の診断士で組織する診断士稲門会の設立30周年を記念して開かれたもので、早大出身の診断士である大岡議員を講師としてお招きしました。今回はオープン開催として広く参加を呼びかけたこともあり、三宅茂樹東京都議会議員、小黒光司東京都中小企業診断士協会会長をはじめ、70名近くの出席者が、1時間半にわたる大岡議員の熱弁に真剣なまなざしで耳を傾けました。

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 大岡議員は1972年、滋賀県甲賀市の生まれ。95年に早大卒業後、民間企業に就職。その後、政治の迷走に危機意識を感じて浜松市議会議員に転身し、地域の産業政策に関心を寄せる中で、診断士資格取得を思い立ったとのこと。2005年度の診断士試験に合格。資格取得後、静岡県議会議員に当選、さらに、生まれ故郷の滋賀県の選挙区で自民党が候補者を公募していることを知り、2012年12月の衆院選で滋賀1区から立候補して初当選されました。現在2期目。衆参710名余りいる国会議員の中で弁護士や税理士出身は多いものの、診断士としては唯一の国会議員で、中小企業施策の立案、立法に力を入れておられます。


【診断士の一層の活躍を】
 講演では、まず中小企業が置かれている現状を分析しつつ、ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金など、現在実施中の中小企業・小規模事業者向け施策の趣旨や導入経緯を解説。日本は開業率、廃業率が低水準で少産少死の企業環境になっており、経済活性化のためにも、開業率を高めて新陳代謝を促す必要性を強調されました。201601-4p-2.jpg
 特に、①中小企業の人手不足を解消するための人材マッチング策②経営環境が厳しい時にこそ将来を見越した投資を促す設備投資促進策③都道府県ごとばらつきがある地域金融機関の融資審査向けに一次審査用のスコアカードを設ける案など、さまざまな面で診断士のアイデアや力も借りていきたいとの考えを披露されました。


【認定支援機関の見直しも】
 講演では、今後期待される「診断士」の位置づけにも言及され、まず、認定支援機関のあり方について、認定された全国24,316機関のうち診断士は430人に過ぎないと指摘し、それ以外は記帳指導の域を出ていない支援機関が多い状態ではないかと問題提起されました。
 そのうえで、売上拡大や競争力向上など、診断士のように幅広く経営全般を支援できる役割を重視する方向で、来年度以降、制度を抜本的に見直す意向を繰り返し表明されました。
 また、中小企業支援法に「中小企業診断士」の資格名称が明記されていない点にも触れ、診断士の側からも法改正に向けて声を上げてもらいたいと強調されました。「すでに診断士の名前は定着しており、中小企業庁のもとで試験制度も存在しているので、法改正自体はそれほど問題ないだろう。ただ、独占業務を新たにどのように盛り込むか次第では、他士業との調整で時間が掛かるかもしれない」と語られました。
 このほか、診断士登録者が23,281名にのぼる一方で、民間企業に勤務する診断士が12,723名と半数を占めることを指摘され、これらの企業内診断士を活用するため、有給休暇を利用して一時的に公的機関の仕事をするなど、出身企業と利益相反しない形で中小企業の支援、助言にあたる案などで可能性を探れないか、政府としても企業内診断士の一層の活用に向けて問題意識を持っていることを明らかにされました。

201601-5p-1.jpg 講演の締めくくりでは、現在議論が行われている軽減税率について、診断士側の見解を尋ねられ、低所得者層の負担軽減策と中小企業実務との兼ね合いもしっかりと視野に入れたうえで、税制の方向性を検討していく意向も示されました。
 中小企業施策を推し進める診断士出身国会議員として、自民党の中小企業政策に関する部会で各種提案を行う一方で、10月に就任した財務大臣政務官として査定する「マッチポンプ状態」と自身の立場に苦笑いしつつも、終始一貫して中小企業支援への熱い想いを強調する講演となりました。

【他士業校友会や他大学診断士会も参加】
201601-5p-2.jpg 講演会には早大5士業の校友会「稲士会」の各稲門会、慶応大校友による中小企業診断士三田会、明治大校友による中小企業診断士紫紺会の会員など数多く参加してくださり、懇親会に席を移してからは、活発な情報交換の輪が広がりました。

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