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2017.06.28
経営コンサルタントから見た聖地巡礼ビジネス調査レポート

コンテンツビジネス研究会有志

1.はじめに

 コンテンツビジネス研究会は、2008年8月にコンテンツビジネスに強い中小企業診断士が中心となり結成された(一社)東京都中小企業診断協会の認定研究会である。当研究会では2014年より「コンテンツ×まちおこし」プロジェクトとして、会員有志により「聖地巡礼」の実地調査や、観光地・作品の知名度の定性分析・定量分析を行ってきた。その成果として2016年に研究論文「経営コンサルタントの見た聖地巡礼ビジネス」を出版するに至った。聖地巡礼については先行研究もあるが、9カ所に及ぶ実地調査とアンケート等を用いた客観的な分析は他に類を見ない内容となっている。

 本稿では「経営コンサルトの見た聖地巡礼ビジネス」から事例および、調査分析方法について抜粋し、研究論文では記載しなかった内容を一部補足して紹介する。本稿を通じて、「聖地巡礼」やアンケート手法・分析の留意点を知ることにより、読者の今後の活動の一助となれば幸いである。

2.聖地巡礼とは

 聖地巡礼とは、文字どおり、聖地を巡礼するということである。巡礼するというのは、訪ねて参拝するということであり、ツーリズムであるということもできる。すなわち、聖地巡礼とは、聖地というターゲットに対して、ツーリズムを行うということを意味するとも言える。では、聖地とは何か、もともと神聖とされる土地や、聖者や教祖のような敬われる人物に関わる土地等、信仰の対象となる場所を指しているものであった。近年、その意味は拡大し、文化やスポーツ等において、「憧れや注目の対象となる場所」を聖地として呼ばれるようになっている。日本においては、映画やアニメの舞台を聖地として、巡礼することがあたり前なことになってきている。

 2016年、大ヒットした映画『君の名は。』は、その背景描写の素晴らしさもあいまって、その聖地(四谷、飛騨等)を訪れる人が急増するといった現象もあり、注目されたのは記憶に新しい。アニメツーリズム協会の発足などもあり、聖地巡礼が、クローズアップされることが多かった年となったといえる。

 アニメの作品舞台を聖地として巡礼することが行われるようになったのが、いつ頃からなのかについては、諸説が存在している。少なくとも、作品中に、実在の場所とわかる舞台が描かれるようになってからであることは間違いない。1970年代より、アニメの舞台背景をよりリアルに描くため、ロケハンが行われるようになっていく、その流れの延長線上に、アニメファンによる作品への拘りから舞台となったロケハンの場所を訪ねるという動きが出てくることになる。その後、ネットによるコミュニケーションの場の広がり等もあり、アニメファンの中で認知度が高まっていき、聖地巡礼としてアニメファンの中では大きなイベントの1つとして定着していくことになった。アニメの聖地巡礼は、作品とファンと聖地(地元)との関係から成立している。聖地巡礼は人を集めるものであり、人が集まることによって産業や地域が活力を得ることができるものである。その力をまちおこしに利用しようという取組みも数多く存在している。しかしながら、必ずしも成功と言える結果を得ているわけでもない。広い意味で、聖地としての対象が持っている質に対して、扱いを誤ると失敗を招く結果とも成り得ると考えるべきである。聖地巡礼といっても何の聖地なのかによって、ビジネスとしてのアプローチも対応も異なってくる。コンテンツとして、アニメや映画などの作品としての聖地の場合、作品の魅力は当然として、その他にも大切な要素が存在していると言える。クールジャパン、観光立国を目指す日本において、アニメによる聖地巡礼は、当然注目されるものとなっている。研究論文では、どのように活かすのが良いのか、複数の事例を通して考察を行っている。

3.具体的調査事例

 本稿においては、研究論文の9つの事例の中から、ベストプラクティスとみられる茨城県大洗町(ガールズ&パンツァー)の事例の内容を紹介する。

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(1)観光地としての魅力201707_2_1.jpg

 大洗町は、茨城県においては有数の観光地であり、2009年度の年間観光入込客数は約560万人。海水浴場や水族館、マリンタワー等、海を中心とした観光施設が揃う。このため、「るるぶ情報版」等の旅行雑誌でも、しばしば取り上げられている。しかし、2011年に発生した東日本大震災では、大きなダメージを受けた。2014年の年間観光入込客数は、震災前の8割程度に止まっている。

(2)作品の認知度

 『ガールズ&パンツァー』(以下、ガルパン)は、オリジナルのTVアニメ。2012年10月から「TOKYO MX」やBS11、茨城県のローカルインターネットテレビ「いばキラTV」等で放映された。その後は、オリジナルビデオアニメや劇場版が製作され、メディアミックスも盛んに行われている。しかし、認知度調査アンケートでは、男性が2.98、女性が1.47、全体で2.20と総じて低い結果であった。とは言え、この作品は、万人ではなく男性を中心とした熱心なアニメファンをターゲットにした作品と判断され、アンケートの結果でもその傾向が確認できた。ターゲットが絞り込まれているため、一般的な認知度が高くないことは仕方がないと考えた。

(3) 中心的人物の熱意

 大洗町側の中心人物は、常盤良彦氏や商工会、青年部のメンバー等である。常盤氏は、2011年10月に商工会長によって製作者側に引き合わされ、ロケハンや撮影等の支援を依頼された。そこで、撮影ポイントのマップやタイムスケジュール等を作成し、鉄道会社やバス会社、商店街等に対して撮影場所の提供を依頼した。そしてそれに止まらず、電車やバスのラッピングを実施し、地元のお祭りの際には訪れるファンの人達が買える物を用意することを事業者に要請した。ほかにも、キャラクターパネルを用いたスタンプラリーや、作品仕様のレンタサイクルを用意する等、数多くの企画を実施した。イベントは、大小合わせて年間で30以上手がけていると言われ、企画グループは毎週日曜の夜に会合を開いている。常盤氏等の熱意が人を引き付け、さまざまな企画を実現させる原動力となっていることは、間違いない。

(4)ステークホルダーの協力度合い

 常盤氏らの企画に対して、商工会や大洗町、茨城県等は、人的面を中心に積極的に支援している。作品のキャラクターパネルは、商工会の青年部等が製作した。ファンへのおまけ(ノベルティー)の缶バッチは、商工会の事務局長が自ら作成している。これによって生まれた1個数円の利益により、イベント等の資金を生み出した。大洗町役場でも、イベントの実施や手続き等でバックアップしており、業務時間外の会合にも参加していると言われている。

(5)権利者との関係

 コンテンツの権利者とは、当初より良好な関係を築いていた。製作者側は東日本大震災で被災した大洗を作品の舞台にしたいと考え、すごく前向きに手を組んでやりたかったと言われている。鉄道やバスのラッピングは、常盤氏らと一緒に作業した。地元のイベントでは、プロデューサーや声優等も多数出演している。これらの影響もあって、地元の祭りでは、従来の倍以上の10万人超の来場者を記録するようになった。キャラクターパネルや町内の事業者が製造・販売する商品に使用されているイラストやキャラクター等の点数は、多くの取組事例の中でもトップクラスとなっている。

(6)住民の作品への理解度

 作品は大洗のまちに溶け込んでおり、ラッピングされた電車やバスが走り、駅構内では作品のイラストを使った看板を多数目にする。駅のインフォメーションコーナーは作品の案内所となっており、作品に関係した観光案内やスタンプ、巡礼ノート等が置かれている。観光案内は、来街者に楽しんでもらいたい想いが伝わってくる。町中では、商店街等を中心に、キャラクターパネルを目にする。店舗では作品に関連したメニューや商品が用意されており、店内にはポスターやチラシ、グッズ、関係者のサイン色紙等のアイテムが並べられている。地域における作品の露出は非常に多く、事業者や住民の理解度は高いと考える。

(7)その他特記事項

 本事例は、特定のアニメ作品によって発生した聖地巡礼という事例の中でも、地域に対してきわめて大きな影響を及ぼしたものの1つである。しかし、この取組みは元々、「まちおこし」を目的として行われたものではない。この点は、大洗の関係者と製作者側の双方が明確に述べている。「まちおこし」ではなく、「町全体を舞台としたまち遊び」をしている認識で、取組みが行われている。

 しかしながら、これらの取組みが、大きな影響と成果を生み出したことも事実である。地域のイベントでは、従来の倍以上の来場者が訪れるようになった。商店街や観光施設等には聖地巡礼を行うファンが訪れ、飲食し、商品を購入している。ホテルや旅館は、週末を中心に多くのファンに利用されている。ファンの中には町のファンになった人もいて、年間で120日程度訪れている人もいる。大洗町に移住した人の数も2桁を超えており、仕事があれば来たいという人も少なくないという。このように、「まちおこし」を狙った活動ではなかったが、結果的に「まちおこし」と言われるようなインパクトを大きく残したのである。

 このような大きな影響を大洗町に及ぼした理由は、作品そのものの魅力を別にすると、常盤氏を始めとした中心的人物の熱意とステークホルダーや権利者の協力が大きかったと考えられる。大洗のまちが単なる作品の舞台にとどまらず、ガルパンという作品を包み込み、訪れるファンを受入れている雰囲気を作り出した理由としては、常盤氏らの取組みが「お客様を考えた」ものであったことと、若手を中心とした活動が従来から盛んに行われていたことを挙げたい。

 ガルパンの効果は、アニメの聖地としての知名度の向上による来街者の増加や土産等の販売増といった経済的な側面にとどまらず、社会的な変化もまちにもたらした。まちや店舗でのコミュニケーションが増え、ファンとの交流を楽しんでいる。ガルパンという共通言語を基に大洗のまちの人やファンが繋がり、まちの雰囲気を明るくしたと言われている。商店街では、商店主の等身大パネルを作成し、キャラクターパネルとともに並べることを始めた。取組みとしてはパネルの作成と設置だけだが、こういったことを行える商店街が全国にどれだけあるだろうか。大洗町の事例は、ガルパンというアニメ作品と大洗のまちが起こした、奇跡とも言えるものである。

(8)問題点・課題と解決策・提言

 本事例に対して大きな問題や課題はないと考えるが、宿泊キャパを超える観光客への対応とインバウンドへの対応を課題として取り上げ、提言を考えた。大洗町は、海や海産物といった資源や古い街並みが残り、ガルパンという作品の舞台となって楽しんでいる、非常にユニークなまちである。インバウンドへの取り組みは、進めておきたい。

4.聖地巡礼事例スコアリング概要

(1)定量的項目、定性的項目

 研究論文では、アニメおよびゲーム作品の舞台としての9つの事例を100点満点でスコアリングしている。スコアリングという手法を採用したのは、経験や勘に安易に頼らず、事実や論理を優先したい、という経営コンサルタントとしての思いからである。スコアリングは6項目について実施している。6項目すべてが「まちおこし」の成否に等しく影響を与えるとは考えられないため、必要な重み付けを行った上で100点満点にしている。

 定量的項目(①②)は、旅行雑誌掲載状況やアニメ認知度アンケート等に基づき算出した客観的なものである。その一方で、定性的項目(③~⑥)については、研究論文の執筆者間で調整した10点、7点、4点、1点の4段階からなる相対的な評価である。 

①観光地としての魅力(20点満点)

 当地が観光資源に恵まれていれば、1回の聖地巡礼につき滞在する時間が長くなったり、リピーターになったりする可能性が高まる。地元にとっても「作品のファンとしてその舞台を訪れてもらうことに始まり、やがては当地自体のファンになってもらう」というのが、理想的な中長期シナリオである。

②作品の認知度(40点満点)

 アニメ「聖地巡礼ビジネス」の成否に最も大きな影響を与える要素とは、聖地巡礼の対象となる作品自体の人気である。作品の人気があるほど、その聖地を訪れようとするファンが増える。後述する「認知度指数」を4倍し、四捨五入した点数である。

③中心的人物の熱意(10点満点)

 中心的人物が不在なまま、「まちおこし」が成功することは難しい。さらに、プロジェクトの持続可能性を高め、「聖地巡礼ビジネス」を成功させるためには、その人物が地元在住の人間であることが不可欠である。

④ステークホルダーの協力度合い(10点満点)

 「聖地巡礼ビジネス」を成功させるためには、行政や地域事業者等のステークホルダーが協力、連携することが欠かせない。

⑤権利者との関係(10点満点)

 コンテンツを「聖地巡礼ビジネス」に活用するためには、権利者の了承・協力が欠かせない。

⑥住民の作品への理解度(10点満点)

 アニメイラストが地域に溢れることに対する住民の理解や拒絶反応には、地域性による差が見られる。

(2)取り上げた作品とその舞台

 調査した多数の事例の中から、今回の研究論文で取り上げた作品、およびその舞台は下記である(表1)。なお、鳥取県境港市は、厳密に言うと、アニメ作品(鬼太郎)の舞台ではなく、作者(水木しげる)ゆかりの聖地であるため、スコアリングの対象からは除外している。

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5.「作品の認知度」の調査方法としての「アニメ認知度調査アンケート」

 10作品の人気を把握することを目的に、アニメ愛好者か否かを問わず、アンケート調査(以下、アニメ認知度調査アンケート)を実施した(表2、表3)。

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 アニメの視聴頻度についてみると、男性の方が平均的にアニメを多く視聴している。男性のコアなアニメファン(週に3本以上アニメを視聴する層)が全体の約28%を占めるのに対し、女性は2割に満たない。例外はあるものの、全体的に、年齢を重ねるほど視聴頻度は低くなり、どの年齢層でも男性の視聴頻度が女性よりも高い傾向がある。

 10作品の認知度にかかる回答の集計結果をいかに客観的に評価し、作品間の比較を可能にするかが認知度調査アンケートを分析する上でもっとも重要な点である。平均的な認知度を把握するために、選択肢ごとの人数と便宜的に設定した得点を基に「認知度指数」を算出することにした。先に事例紹介した「ガルパン」の一部データ(表4)を例にとり、認知度指数を説明する。

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 「回答」の文字の下にある1から5は、アニメ認知度調査アンケートにおける「10作品それぞれに対して抱くイメージ、あるいは、作品との関わり」にかかる質問に対する選択肢である。以下のとおり対応しており、それぞれに得点を与えることにする。なお、9はデータを整理する上で設けた選択肢(回答漏れ)である。

  1 世代に関係なく、誰でも知っている⇒10点

  2 特定世代に人気(であろう)⇒7点

  3 少なくとも、自分は見た(やった)ことがある⇒4点

  4 タイトルは知っている⇒1点

  5 そのタイトルは初めて聞いた⇒0点

 ガルパンの「認知度指数」(全体)は、2.20であるが、次の計算方法に基づいている。

  (18×10+269×7+125×4+394×1+541×0)÷(1,349-2)≒ 2.20

 すなわち、認知度指数とは、作品の認知度にかかる「選択肢ごとの回答者数」に「選択肢ごとに設定した得点」を乗じ、それら「選択肢ごとの数値の総和」を「回答者数」で除した平均値である。指数は0点から10点の間に収まることになる。この指数が高いほど、当該作品の認知度が高い、あるいは、人気があることを意味する。

(1)WEBアンケートを行う際の留意点

 研究論文のアンケートに対する有効回答数のうち約9割は、クラウドワークス(日本最大級のクラウドソーシング事業者)を通した2回のWeb調査による。有効回答者1人につき10円を支払ったが、スピード感をもってアンケートを実施する上で、クラウドソーシングを活用するメリットは享受できた。その一方で、研究論文では触れていない問題点もいくつか露呈しており、ここでそれらを共有させていただく。

 Webアンケートが1回で済まなかった理由は、女性の回答者数が約3分の2を占め、とりわけ、20代と30代の男女差が看過できないほど偏ってしまったからである。2回目の調査を、【1回目に回答しなかった20代および30代の男性限定】を条件に行うことにした。

 だが、実際には、女性が男性になりすましたり、40代の男性が20代になりすましたり、1回目と同一の人物が再び回答してきたりした。「こうした回答はすべて無効にする」との警告をしてもなお収まらず、最終的には、2回目に入手した回答のうちの約2割が無効なものとなった。有効なものか否かを判別するために、夜な夜な、1件ずつ回答者のIDを確認し、目検する作業に忙殺された。クラウドワークスには、無効な回答をはじいてくれるよう、システムを改善していただきたいものである。

 また、クラウドワークスの登録ユーザーは、女性が多いだけでなく、10代が少ないものと推測される。一般的に他の世代よりもアニメやゲームに興味を示すであろう10代の回答者を確保するのが、性別に限らず困難であった。それゆえ、10代の回答者をピンポイントに探し出し、対面アンケートを追加的に行う必要性に迫られた。

 以上、クラウドソーシングを活用したアンケート調査も決して完璧ではないものの、上記留意点を踏まえた上で活用すれば、コストパフォーマンスは決して低くはないことも実感できた。システムの改善に期待しつつ、今後も折を見て、研究活動の中で活用していきたい。

6.聖地巡礼事例スコアリング結果

 以下にスコアリング結果を一覧表で示す。(表5)

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7.まとめ

 本稿にて、抜粋紹介させて頂いた研究論文の最も大きな成果は、「コンテンツ自体の人気」という、「聖地巡礼ビジネス」の成否に決定的な影響を与える要素の分析を真正面から試みたことである。また、事例の横比較ができるように数値化したことも、成果として挙げられる。「聖地巡礼スコアリング」の一覧表を見れば、定量的項目だけに依存して持続させることは容易ではなく、定性的項目の充実も欠かせないことが分かるだろう。

 今回は、アニメ・ゲーム作品を基にした聖地巡礼に絞って事例を調査したが、聖地の元になり得るコンテンツは、アニメやゲームだけでなく、TVドラマや映画、小説、音楽等他のコンテンツも多数存在している。コンテンツを活用した他の「まちおこし」の事例についても研究していくことで、「コンテンツの活用によるまちおこし」の可能性をより広く研究していくことは、今後の研究課題の1つである。

 アニメ・ゲーム作品の事例についても、引き続き調査を行い、成功のポイントというべきものについて、より確証を得ることができるような情報へとブラッシュアップしていくことができれば望ましいと考える。失敗事例についても、振り返って、もしこの時にこの点について手を打っていれば、異なる結果になっていたかもしれない―と言った可能性について検討していくことは、今後、同様な事象に遭遇する場合の良きアドバイスとなり得るものである。成功と失敗、それぞれから学ぶべき点を整理して、コンサルティングにおける知恵としていくことは、われわれにとっても大切なことである。また、女性向けアニメの事例調査や、放映時期といった「旬」の問題を考察することも、今後の宿題になろう。

 今回の研究結果より、元になる作品の人気が「まちおこし」成功への重要なファクターとなっていることが明白となった。成功する可能性を高めるためにも、作品の公開にあたって、できるだけ早い段階で人気度が把握できるような仕組みがあれば、非常に有効であると言える。そのあたりのアプローチについても、「コンテンツによるまちおこし」を成功に導くために必要な研究テーマであるだろう。各方面との協力も含めて、日本のコンテンツビジネスとコンテンツを活用したさまざまなビジネスにおいて、良い結果を導くための知恵を深めていきたいと考えている。201707_10.jpg

 本稿の基になった研究論文は、当研究会のHPを通じて販売している。またコンテンツビジネスに関心があれば、ぜひ当研究会の例会に参加していただければ幸いである。

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