~中小企業診断士と災害復興の関わりについて~
地域支援部
さる7月16日(木)に災害復興まちづくり支援機構の主催で、東京都庁において首都直下地震が発生した後の地域復興に関するシンポジウムが開催されましたので、その概要をご報告いたします。
1.基調講演について
まず首都大学東京大学院の中林教授より、「震災後の速やかな復興、事前復興についての専門家の果たすべき役割について」というタイトルで基調講演がありました。まず被害を軽減するための災害対策として、以下の3つを挙げておられます。
①事前に取り組む災害予防対策 ②災害発生後の被害拡大を防ぐための災害対応対策 ③迅速な復旧・復興によって完成被害の軽減を目指す復旧復興対策
そして今回のテーマである復興には、以下の3つのステップがあることを示されました。
①基盤施設や住宅などの空間的復興 ②産業や経済などのシステム的復興 ③被災者の心を含む生活や地域社会の人間的復興
また行政の果たす役割や行動体系についても、詳しくお話をいただきました。
2.事例報告について
続いて、①阪神・淡路まちづくり支援機構事務局長の津久井弁護士から「阪神・淡路大震災からまもなく15年」というタイトルで、②長岡技術科学大学の上村准教授から「新潟県中越地震から5年」というタイトルで、それぞれ事例報告をいただきました。
とくに津久井弁護士からは、弁護士、司法書士、税理士など各士業の専門家がどのように復興に関わってきたか、についてお話しされました。
この後、基調講演と事例報告に基づいて、専門家が地域復興に貢献するために今後どのような取り組みをしていくべきか、というテーマでパネルディスカッションが行われました。
3.中小企業診断士の役割について
災害復興ではとかく土地・建物・道路・公園といったハード面での復興(空間的復興)に目がいきがちですが、商店街の復興や町工場の復興(システム的復興)といったソフト面での復興にも気を配る必要があります。このようなソフト面での復興において、中小企業診断士はその専門性を大いに発揮できます。
また災害が発生した後の復興だけではなく、事前の災害対策においても中小企業診断士は大きな役割を担うことができます。
今回のシンポジウムで学んだことを踏まえ、地域支援部が昨年度の研究成果として発表した「中小企業診断士のためのBCP(事業継続計画)Q&A集」を参考として、地域経済を支える中小企業の継続的な発展のため活動していきたいと思います。
文責:藤田 千晴 fujita@cfrmc.jp