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チャンスはピンチの顔をしてやって来る 2012.01.29
― RMCゼミナール「2012年の日本経済見通しと中小企業経営について」聴講記 ―

 12月15日(木)にRMCゼミナール「2012年の日本経済見通しと中小企業経営について」が開催されました。講師に迎えた第一生命経済研究所 首席エコノミスト 熊野英生氏が熱く語る当面の景気動向、欧州の財政危機、円高リスク、中小企業経営への影響等の話題に満員の聴衆が熱心に聞き入りました。
 以下、熊野氏の講演内容を報告します。

◆当面の景気動向
 講演当日発表の最新の日銀短観で大企業製造業の業況判断指数がマイナスに転じており、景気後退の懸念がある。これから悪化の幅が広がっていく覚悟が必要。欧米の景気後退で輸出が減少すれば、来年前半に掛けて広範囲にマイナス影響が波及する。2012年については、①ロンドン五輪でのテレビ需要増加による半導体市況の回復、アメリカ大統領選・中国国家主席交代を前にした積極的な経済政策などの影響が出る"良いシナリオ"、②欧州個別金融機関の破綻をきっかけとする"悪いシナリオ"の両方が考えられる。
 悪材料が多いが好材料もある。目先に悲観するのではなく、次の次を考えることが求められる。中小企業もチャンスを探さなくてはいけない。

◆欧州の経済危機
 現在は「ギリシャの次」を心配している状態。達観すれば財政危機の解決策は経済成長のみで、財政支援に頼らない経済成長が必要になる。ただし、欧州の経済成長率の回復は当分無理で、ドイツに期待することになる。

◆円高リスク
 欧州と米国に不安があるため、相対的に安心な円が買われて円高になっている。短期金利でドル円レートを推測すると、74円(標準偏差を考えても72円)よりは円高にならない。74円~85円が来年いっぱいの為替のレンジ。輸出企業はこの幅でどうにかしなくてはならない。

◆期待される対策など
 今後は、エネルギー政策、設備投資促進などの経済成長戦略が期待される。東北地方の預金残高が増えており、2兆から3兆のお金が集まっている。被災地にビジネスチャンスはある。チャンスはピンチの顔をしてやって来る。

◆講演を聴講して
 熊野氏のご家族が中小企業を経営しているということもあり、中小企業への期待に溢れる講演でした。日本や世界の景気がどのような状態でも、業績の不振を景気のせいにしては前に進めません。景気後退の状態にあろうとも個別企業にはチャンスがあり、そこに中小企業診断士が活躍する場があることを痛感しました。

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中央支会 佐々木 孝
takashi.sasaki@mac.com